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黄鈴(おうりん):「おとうしゃまぁー。おかあしゃまは、どこにいるの?」
攻耐(こうた):「母様はな、お前を産んで、死んだんだよ!! お前が生まれたせいで、アイツは。アイツは。死んだんだ。。俺に引っ付くな。」
黄鈴(おうりん):「いっ。痛いぃー(泣) うわぁーん(泣) おとうしゃまに叩かれたぁー(泣)」
攻耐(こうた):「おい!蜜斗!」
蜜斗(みつと):「はい。旦那様。お呼びですか?」
攻耐(こうた):「この煩いガキを早くどこかにやれ!!」
蜜斗(みつと):「はい。承知致しました。」
0:バダン!!
蜜斗(みつと):なぜ、旦那様は。亡くなられた奥様の愛娘へ。こんな仕打ちを。。。姫様が奥様にそっくりとはいえ。。。
蜜斗(みつと):さすがに、あんまりだと思いますが。。。私は、旦那様への注意等は。できませんし。。。
ここは。旦那様の心が少しでも変わられるまで。待つしかございませんね。。。
蜜斗(みつと):「姫様、大丈夫ですか? 痛かったですよね。すみません。私の責任です。」
黄鈴(おうりん):「ひっく。痛かった。痛かったよぉー(泣) みっくん痛かったァ(泣)」
蜜斗(みつと):「お顔を見せてください、姫様。。。。やはり、少し赤くなってますね。今、冷やすものを持ってきます。」
黄鈴(おうりん):「やだ。行かないで。みっくん、行かないでよ。やだ。」
蜜斗(みつと):「。。はぁ(ため息)。では、一緒に行きましょう。姫様。」
黄鈴(おうりん):「うん。みっくん、抱っこ。」
蜜斗(みつと):「ふふ笑 えぇ。いいですとも。(私の可愛い、可愛い姫様。)」
蜜斗(みつと):抱き抱えた姫様は、直ぐに私の首に手をぎゅっと回して、私の肩に顔を埋めて震えてるこの姿がとても愛おしくて。。姫様には申し訳ないけども、私の得ですね。
黄鈴(おうりん):「みっくん。今日は一緒にねよ? お願い。」
蜜斗(みつと):「えぇ。もちろんですとも。姫様が眠れられるまで私が隣で添い寝致します。」
黄鈴(おうりん):「みっくん。。。。。ありがと。」
蜜斗(みつと):抱き抱えたまま、姫様の部屋へと入り。姫様の着替え、入浴を済ませ。姫様をベッドへ寝かせる。私もベッドに入り、姫様の隣で添い寝をする。
蜜斗(みつと):これが私の役目であり、執事として。いや、1人の男として、姫様を妹の様に慕っていますから。安心してお眠りなさい。。。
0:次の日の朝。
攻耐(こうた):「蜜斗、いるかぁー?」
蜜斗(みつと):(もう朝ですね。すみません、姫様。旦那様に呼ばれてしまいました。(手をそっと離す)行ってきます。)
0:少しの間
蜜斗(みつと):「はい。旦那様、お呼びでしょうか。」
攻耐(こうた):「蜜斗には悪いが今すぐに、龍星城へ行ってくれ。」
蜜斗(みつと):「私がですか?(姫様と離す為だろうなぁ。。。)分かりました。では、行ってきます。」
攻耐(こうた):「頼んだぞ。」
0:少しの間
黄鈴(おうりん):「(むくっ)ふわぁーあ(あくび)。みっくん、おはよぉ。。あれ?みっくんどこ?」
0:ドンドン
攻耐(こうた):「おい、黄鈴。起きてるんだろ? 早く着替えろ。」
黄鈴(おうりん):「は。はい。今、着替えます。(みっくんいないの? おとうしゃまの機嫌損ねないようにしなきゃ。。)」
0:10分後
攻耐(こうた):「遅い!!さっさとしろ!!」
黄鈴(おうりん):「は、はい。ごめんなさい。遅くなりました。」
攻耐(こうた):「ったく。これだから、ガキは嫌いなんだ。。お前を産まなければ、アイツ。お前の母親は死なずに済んだんだ!! お前の顔なんか見たくない。」
黄鈴(おうりん):「 い。痛い。腕、離して、おとうしゃま。」
攻耐(こうた):「今日は、外で過ごせ。蜜斗が帰ってくるまで、家の中に居ることは許さん!」
0:バタン
黄鈴(おうりん):「おとうしゃま。痛い、痛いよ(泣) 開けてよぉー。いい子にするから、あけてよ。おとうしゃま。。(泣) うわぁーーーん(泣)」
黄鈴(おうりん):「おかあしゃまに会いたいって。言っただけなのに。。。
なんで?なんで、こんなに痛いの?おとうしゃまは、私の事嫌いなんだ。。(泣)」
0:龍夜サイド
龍夜(りゅうや):今日は母様へのプレゼントでレモンのシフォンケーキを手作りしたけど。喜んでもらえるかなぁー。。
母様、本当に、コレしか食べないし笑 天海家の執事さんが、城に来てくれたから、僕が母様へ届けにいけるんだから、ありがたい。
龍夜(りゅうや):あれ? 天海家のお姫様が。。玄関の前で泣い。。てる? あの子、あんまり外には出ないから。。どんな子なんだろう。。 よし!どこか、入れる所はないかな?(探し中)んーと。あ!見つけた!ここの穴から入れそうだ。
龍夜(りゅうや):んーっと。ふぅー(汗)母様に渡す予定だったけど、あの子。お腹空いてるんじゃないかな。。1つくらいあげても、母様許してくれるはず。。
黄鈴(おうりん):「ひっく。ひっく。お腹すいたよォ。みっくん。どこぉー(泣)」
龍夜(りゅうや):「こんにちは、お姫様?」
黄鈴(おうりん):「!? だ、誰? 」
龍夜(りゅうや):「僕は通りすがりの男の子です。どうして泣いてるの?」
黄鈴(おうりん):「んと、おとうしゃまに追い出されました。。ぅうー(泣)」
龍夜(りゅうや):「え!? 追い出されたの? 何か悪い事しちゃったの?」
黄鈴(おうりん):「うぅん。何もしてない。私の顔がおかあしゃまに似てるから。嫌だって。腕ひっぱられて。外に出されちゃった。。。(泣)」
龍夜(りゅうや):「そっか。(頭を撫でながら)僕ね、ずっと君に会ってみたかったんだ。だから、今日。僕は幸せなんだよ。」
黄鈴(おうりん):「え?わたしに会いたかった?」
龍夜(りゅうや):「そうだよ。僕は君に会いたかったんだ。だから、今こうやって話せて、僕も幸せなんだよ。」
黄鈴(おうりん):「うん。ありがと。私も、君が来てくれたから、ひとりじゃなくなった。」
龍夜(りゅうや):「お腹空いてるでしょ? コレ。あげる。」
黄鈴(おうりん):「え? コレはなぁに?」
龍夜(りゅうや):「レモンのシフォンケーキ。僕の手作り。本当は母様に2つ渡す予定だったけど。1つは君にあげるよ。」
黄鈴(おうりん):「いいの? お母様に悪くないかな。。」
龍夜(りゅうや):「いいよ。大丈夫。食べてくれると僕も嬉しいな。」
龍夜(りゅうや):僕が渡すと、君は少し笑顔になってくれた。包み紙から出して渡すと、1口、口に運んで。幸せそうに笑ってた君。そんな君を好きになってしまった。
黄鈴(おうりん):「コレ。美味しい。。(嬉泣) 今までのおやつよりも、すっごい美味しい。。」
龍夜(りゅうや):「はは笑 それなら良かった。君が笑ってくれるのなら。僕も嬉しいよ。」
黄鈴(おうりん):「ねぇ。コレ。どうやって作ってもらってるの?」
龍夜(りゅうや):「はは苦笑 コレ?(どうやって説明しようかなぁ。僕がコレを作ってるって言うのもなんかなぁ。。。んー。。。この地にはレモンは実ってないし。隣町じゃないと。手に入らないし、単価が高いし。。。んー。。。どうやって説明しようかなぁ。。。」)
黄鈴(おうりん):「うん♪ そう。コレ。どうやって作って貰ってるの?」
龍夜(りゅうや):「えーとね。レモンって言う、黄色い鈴みたいな形のくだもんのがあって。それを、使って作ってもらってるんだ。」
黄鈴(おうりん):「黄色い鈴。。。私の名前と同じ。。えへへ笑 コレ食べると幸せになれるね♪」
龍夜(りゅうや):「はは笑 それなら良かった。あ、僕。そろそろ行かなきゃ。。。。またな。」
黄鈴(おうりん):「あ、そうだよね。。ありがとう。レモンのシフォンケーキ。美味しかった。うん。またね。」
黄鈴(おうりん):男の子が門の横の穴から外へ出て行く姿だけを。私は見続けてた。男の子が去ってから、みっくんが戻ってくるまで。私は。ドキドキが止まらなかった。
黄鈴(おうりん):まだ心がドキドキしてる。あの男の子の名前聞けなかったな。。。また、いつか。会えるよね?
0:ギー。ガチャ
蜜斗(みつと):「姫様?(走って駆け寄ってく)どうなされたんですか!? まだ秋ですよ?こんなに冷えて。。」
黄鈴(おうりん):「あ、みっくん。あのね、ケーキの王子様に出会ったの。名前は分からなかったけど。。」
蜜斗(みつと):「ケーキの王子様? 一体なんの事ですか?」
黄鈴(おうりん):「さっきまでね、ここに。レモンのシフォンケーキを持ってきてくれた、男の子が居たの。その子がね。」
蜜斗(みつと):「はい。(レモンのシフォンケーキ。。。。龍夜様ですね。。。あの方がケーキの王子様。。この事はまだ姫様には秘密にしておきましょう。)」
黄鈴(おうりん):「それでね? 黄色い鈴みたいな形の果物があるって教えてもらったの!私の名前と同じだねって言ったらね。」
蜜斗(みつと):「ふふ笑 その方もきっと喜んでくれたのでしょう。良かったですね。姫様。」
黄鈴(おうりん):「うん!まだ、心がドキドキしてるの。ねぇー?みっくん?これってなぁに?」
蜜斗(みつと):「それは。恋。ですよ姫様。(姫様の心を掴んだケーキ)」
黄鈴(おうりん):「このドキドキは恋。えへへ笑 じゃあ、あのレモンのシフォンケーキをくれた男の子は。ケーキの王子様だね! また会えるよね?みっくん。」
蜜斗(みつと):「ええ。姫様が大きくなったら会えますよ。それまで、頑張りましょうね。」
黄鈴(おうりん):「うん!頑張る!」
蜜斗(みつと):「では、中に入りましょう姫様。体を冷やしてしまいますから。ホットミルクをお入れ致しますよ。(旦那様ときちんと、話さなければなりませんね。。これからの事を。たとえ。この手が血に染まっても。私は姫様を護るまでです。ケーキの王子様。大人になった姫様の物語は。後ほど。)」
0:☆☆☆☆過去編 ① 終わり☆☆☆☆
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