ケーキの王子様 過去編②

~蜜斗(みつと)編~


【時間:25分】


黄鈴(おうりん):天海 黄鈴(てんかい おうりん) 。天海家の1人娘。

攻耐(こうた):天海 攻耐(てんかい こうた)。天海家の主にして、黄鈴の父親。 黄鈴の顔が、死んだ妻にそっくりな事から、辛く当たる。

蜜斗(みつと):蜂汁 蜜斗(はしる みつと)。男。天海家に使えている執事。 旦那様に変わり、お姫様に愛を注ぐ。 姫の事を妹の様に可愛がる。

鈴音(すずね):天海 鈴音(てんかい すずね)。女。黄鈴の母であり、蜜斗の母でもある。


✿本編:【ケーキの王子様 過去編②~蜜斗(みつと)編~】


蜜斗(みつと):過去編①であった話の1部をお話しましょう。


蜜斗(みつと):私、蜂汁 蜜斗(はしる みつと)は天海家のお姫様である黄鈴(おうりん)姫様のお世話をしていました。


蜜斗(みつと):姫様の事を私は、それはそれは大変可愛がっておりました。


蜜斗(みつと):おや失礼、少し話が脱線してしまいました。話をつづげますと、ある日の朝、姫様が旦那様へ。


✿:間


黄鈴(おうりん):「おとうさま、おかあさまはどこにいるの?」


蜜斗(みつと):と、姫様は小さいながらもお母様が何故居ないのかと、疑問に思い旦那様へ質問をされました。


蜜斗(みつと):そんな姫様のお気持ちに、耳を傾けずに。旦那様は手をあげてしまいました。

それはもう、姫様の頬が赤くなる様にです。

何故、自分の愛娘(まなむすめ)へ、暴力を働くのか私にはその理由が分かりたくもありませんでした。


蜜斗(みつと):ですが、流石の私も青ざめました。

姫様を守るために動こうとしました。

ですが、それをしてしまうと。

もっと姫様が痛い思いをしてしまうので、出来ませんでした。


✿:間


攻耐(こうた):「おい!蜜斗!」


蜜斗(みつと):何故、なぜ、姫様にそんな仕打ちを。。


蜜斗(みつと):「はい。旦那様。お呼びですか?」


攻耐(こうた):「この煩いガキを早くどこかにやれ!!」


蜜斗(みつと):ガキではなく、旦那様の愛娘(まなむすめ)でしょう。


蜜斗(みつと):「はい。承知致しました。」


✿:間


蜜斗(みつと):なぜ、旦那様は。亡くなられた奥様の愛娘へ。こんな仕打ちを。。。姫様が奥様にそっくりとはいえ。。。


蜜斗(みつと):さすがに、あんまりだと思いますが。。。私は、旦那様への注意等は。できませんし。。。

ここは。旦那様の心が少しでも変わられるまで。待つしかございませんね。。。


蜜斗(みつと):「姫様、大丈夫ですか? 痛かったですよね。すみません。私の責任です。」


黄鈴(おうりん):「ひっく。痛かった。痛かったよぉー(泣) みっくん痛かったァ(泣)」


蜜斗(みつと):まだ幼い姫様に、何故手をあげるんですか。。


蜜斗(みつと):「お顔を見せてください、姫様。。。。やはり、少し赤くなってますね。今、冷やすものを持ってきます。」


黄鈴(おうりん):「やだ。行かないで。みっくん、行かないでよ。やだ。」


蜜斗(みつと):なんて、なんて可愛らしいのですか!私の姫様は!


蜜斗(みつと):いや、いかんいかん。抑えなければ。。


蜜斗(みつと):「。。はぁ(ため息)。では、一緒に行きましょう。姫様。」


黄鈴(おうりん):「うん。みっくん、抱っこ。」


蜜斗(みつと):あぁ、この笑顔ですよ! 姫様は私の天使です!


蜜斗(みつと):「ふふ笑 えぇ。いいですとも。」


蜜斗(みつと):あぁ〜、私の可愛い可愛い姫様。


蜜斗(みつと):抱き抱えた姫様は、直ぐに私の首に手をぎゅっと回して、私の肩に顔を埋めて震えてるこの姿がとても愛おしくて。。姫様には申し訳ないけども、私の得ですね。


黄鈴(おうりん):「みっくん。今日は一緒にねよ? お願い。」


蜜斗(みつと):添い寝ですので、何もないですよ。


蜜斗(みつと):「えぇ。もちろんですとも。姫様が眠れられるまで私が隣で添い寝致します。」


黄鈴(おうりん):「みっくん。。。。。ありがと。」


蜜斗(みつと):抱き抱えたまま、姫様の部屋へと入り。姫様の着替え、入浴を済ませ。姫様をベッドへ寝かせる。私もベッドに入り、姫様の隣で添い寝をする。


蜜斗(みつと):これが私の役目であり、執事として。いや、1人の男として、姫様を妹の様に慕っていますから。安心してお眠り下さい。


✿:間


蜜斗(みつと):私は、姫様の可愛らしい寝顔を見ながら思いました。

寝ている寝顔も、奥様にそっくりだなんて。。と、まだここでは、私にとっては【奥様】でした。


蜜斗(みつと):朝が来るまで姫様の手を優しく握り、睡魔に勝てず私も眠ってしまいました。


✿:少しの間


攻耐(こうた):「蜜斗、いるかぁ~!!」


蜜斗(みつと):(もう朝ですね。すみません、姫様。旦那様に呼ばれてしまいました。(手をそっと離す)行ってきます。)


✿:間


蜜斗(みつと):私の天使が起きてしまうではないですか!

例え旦那様でも、姫様の睡眠妨害は許しませんよ!


蜜斗(みつと):「はい。旦那様、お呼びでしょうか。」


攻耐(こうた):「蜜斗には悪いが今すぐに、龍星城へ行ってくれ。」


蜜斗(みつと):何故今日なのでしょうか? 何故私が龍星城へ。。何も今日でなくても。。。


蜜斗(みつと):「私がですか?(姫様と離す為だろうなぁ。。。)分かりました。では、行ってきます。」


攻耐(こうた):「頼んだぞ。」


✿:間


蜜斗(みつと):私は、直ぐに龍星城へ向かいました。

向かっている道中に、今日が何の日であるのか?旦那様は絶対に分かっていて、私を龍星城へ向かわせたんですね。。。


蜜斗(みつと):んー。。何も奥様の命日に、姫様から私を遠ざけなくても。。。


蜜斗(みつと):はぁ〜(溜息) 考えていても仕方ありませんね。

それでもやっぱり、思いましてしまいますよ。


蜜斗(みつと):奥様からの約束の事と、私と姫様の関係の事を。


✿:少しの間


蜜斗(みつと):ここで少し昔話を致しましょう。

私がこの、天海家に初めて来た時の。。。


蜜斗(みつと):そう、あれは。。

雨が沢山降っていた梅雨の時期のある日。


蜜斗(みつと):何故か、働く場所は無いかと傘もささずに街の中を歩いていた時でした。


鈴音(すずね):「あら? 傘も持たずにどうされたのです?」


蜜斗(みつと):雨で全身ずぶ濡れになった私に、鈴音様が傘をかけて下さりました。


蜜斗(みつと):「あ。。。ありがとう。。ございます。。高価な傘が、私のせいで汚れてしまいます。」


鈴音(すずね):「ふふっ。大丈夫ですよ。傘はさす為か、かけてあげる為にあるんですから。」


蜜斗(みつと):「とてもお優しくて、私なんかに勿体ないお言葉、本当にありがとうございます。

なんとお礼をしたら良いのか。。」


鈴音(すずね):「お礼? そうね。あっ。じゃあ、こうしましょう♪

貴方は私の屋敷で、執事として住み込みで私の身の回りの事をお手伝いする。

私は、貴方に衣・食・住とお給料をお渡しする。ってどうかしら?」


蜜斗(みつと):きっと私は言われてる事が分からずに困惑していたと思います。


蜜斗(みつと):「!?  そんなっ、恐れ多い。私にはできません。」


鈴音(すずね):「恐れ多い? 何の事ですか? ふふっ。これはもう私が決めた事なので、貴方には拒否権は御座いませんよ♪ ふふふっ♪」


蜜斗(みつと):「!? 拒否権がないのなら、何故『どうかしら?』何て聞いたのですか?」


鈴音(すずね):「ふふふっ♪ 何となくです♪

私、貴方を気に入りました。貴方って呼ぶのも変よねぇ。。

ん〜。。そうねぇ。名前は?」


蜜斗(みつと):「いやっだから、あのっ。えっ。なま、名前は。蜜斗(みつと)です。

蜂汁 蜜斗(はしる みつと)と、言います。

って、違います!!」


鈴音(すずね):「蜜斗。。ねぇ、じゃあ今日からよろしくね♪み・つ・と♪」


蜜斗(みつと):「あっ。はい。お願いします。って。そうじゃなくて!」


鈴音(すずね):「あははは(笑) いい、ツッコミねぇ♪」


蜜斗(みつと):「いやぁ、そんな事ないですよ。って、貴女様のお名前は?」


鈴音(すずね):「ふふふ。あ。私?

私は、天海 鈴音(てんかい すずね)です。」


蜜斗(みつと):とても綺麗なお名前だったのが、印象的でした。

鈴音様におつかいしてから、毎日がとても楽しくて充実していましたから。


✿:間


蜜斗(みつと):そんなある日。今の旦那様との恋が実り、鈴音様はとても嬉しそうにしていました。


蜜斗(みつと):ですが、姫様を身ごもったある日。

鈴音様の身体を蝕(むしば)む病が降りかかったのです。


✿:間


蜜斗(みつと):9月の終わり頃に、鈴音様の病が悪化しました。もうすぐご出産と言う時に、お医者様から信じられない言葉。。

いいえ、私も旦那様も信じたくない言葉を言われました。


蜜斗(みつと):それは、お腹の子をとるか、母体の命をとるか、どちらかだと。

その話を聞いたその日に、私は鈴音様に呼ばれて病室へと足を進めました。


✿:間


SE(効果音):コンコンッ(ドアを叩く音)


蜜斗(みつと):私がドアをノックすると、鈴音様は小さな声で『入って』とおっしゃいました。


蜜斗(みつと):その言葉の通り入っていくと、とても痛々しいお姿の鈴音様がおられました。


蜜斗(みつと):管と呼吸器をつけられたお姿に、鈴音様どうされましたか?


蜜斗(みつと):そう、問うと。少し微笑んでから、『ごめんね』と、突然謝ってこられました。


蜜斗(みつと):「急にどうされましたか? 謝らないで下さい。」


鈴音(すずね):「ふふっ。蜜斗、貴方は前の主人の時の子です。ごめんなさい。。今まで貴方に、母親らしい事が何もできなくて。。」


蜜斗(みつと):私が鈴音様との血の繋がりがある。。?

少し、混乱していましたが。。

幼い頃に父から聞いていた事がありました。


蜜斗(みつと):父の愛した人とは住む世界が違い、一緒にはなれなかった。と。。。


蜜斗(みつと):「いえ。少し驚きましたが、鈴音様は私に良くして下さりました。本当の母でしたよ。私は幸せです。」


鈴音(すずね):「。。そう。。そうよね。ふふっ。蜜斗に私から最後のお願いがあるの。。いいかしら?」


蜜斗(みつと):「あ、はい。なんですか?」


鈴音(すずね):「私が、死に。お腹の子がもし、攻耐(こうた)さんに酷い事をされる回数が増えたら、その時は私に変わって、攻耐(こうた)さんを殺して下さい。。。お願いします。。」


蜜斗(みつと):母様は、涙ぐみながらも静かにそう、言っていました。


蜜斗(みつと):「はい。。その時は、必ず。。母様からのお願いですし、必ず、約束を致します。」


蜜斗(みつと):それから間もなくして、姫様を出産し鈴音様は帰らぬ人になってしまいました。


✿:間


蜜斗(みつと):私の異母兄妹になる、姫様を心から愛し、護ると胸に誓いました。


蜜斗(みつと):これで、昔話はおしまいです。

さぁ、頼まれていた龍星城への言伝(ことづて)を果たしましょう。


✿:少しの間


蜜斗(みつと):あ~、やっと終わりました。 

さぁ、急いで天海家の屋敷まで帰ります。


蜜斗(みつと):なんだかとても嫌な気がします。

私はこの嫌な感が当たって欲しくない。そう思って屋敷まで戻りました。


SE(効果音):ギーッガチャッ(門を開ける音)


蜜斗(みつと):「姫様?(走って駆け寄ってく)どうなされたんですか!? まだ秋ですよ?こんなに冷えて。。」


黄鈴(おうりん):「あ、みっくん。あのね、ケーキの王子様に出会ったの。名前は分からなかったけど。。」


蜜斗(みつと):「ケーキの王子様? 一体なんの事ですか?」


黄鈴(おうりん):「さっきまでね、ここに。レモンのシフォンケーキを持ってきてくれた、男の子が居たの。その子がね。」


蜜斗(みつと):「はい。(レモンのシフォンケーキ。。。。龍夜様ですね。。。あの方がケーキの王子様。。この事はまだ姫様には秘密にしておきましょう。)」


黄鈴(おうりん):「それでね? 黄色い鈴みたいな形の果物があるって教えてもらったの!私の名前と同じだねって言ったらね。」


蜜斗(みつと):「ふふ笑 その方もきっと喜んでくれたのでしょう。良かったですね。姫様。」


黄鈴(おうりん):「うん!まだ、心がドキドキしてるの。ねぇー?みっくん?これってなぁに?」


蜜斗(みつと):「それは。恋。ですよ姫様。(姫様の心を掴んだケーキ)」


黄鈴(おうりん):「このドキドキは恋。えへへ笑 じゃあ、あのレモンのシフォンケーキをくれた男の子は。ケーキの王子様だね! また会えるよね?みっくん。」


蜜斗(みつと):「ええ。姫様が大きくなったら会えますよ。それまで、頑張りましょうね。」


黄鈴(おうりん):「うん!頑張る!」


蜜斗(みつと):「では、中に入りましょう姫様。体を冷やしてしまいますから。ホットミルクをお入れ致しますよ。(旦那様ときちんと、話さなければなりませんね。。これからの事を。たとえ。この手が血に染まっても。私は母様と私だけの姫様を護るまでです。)」


蜜斗(みつと):私はメイドに姫様の事をお伝えし、一緒に居てくださるように頼みました。


蜜斗(みつと):メイドたちは優しそうに、そして嬉しそうに姫様と一緒に屋敷の奥へと姿を消して行きました。


蜜斗(みつと):母様との約束を果たすべく、私は執事服の袖に果物ナイフを隠し、旦那様がいる書斎へと足を進めました。


SE(効果音):コンコンコンッ(ドアをノックする音)


攻耐(こうた):「誰だ!!」


蜜斗(みつと):「ただいま戻りました。蜜斗でございます。」


攻耐(こうた):「ちっ(舌打ち)。もう、戻ってきたのか。。ちっ(舌打ち)。入れ。」


蜜斗(みつと):「では、失礼致します。」


SE(効果音):ガチャッ


SE(効果音):バタンッ


攻耐(こうた):「で、要件はなんだ?」


蜜斗(みつと):「龍星城でのお使い。と言うよりも、言伝(ことづて)を全て終えて帰還したので、報告を。」


攻耐(こうた):「そうか。それはご苦労だったなぁ。他に用がないのなら、下がれ。」


✿:間


攻耐(こうた):「蜜斗、聞いてるのか? 用がないのなら下がれと言ったんだ!」


蜜斗(みつと):「はい。聞いていますよ。旦那様。用がない、場合ですよね?

私は旦那様に、姫様への事についての話。と言うなの用があります。」


攻耐(こうた):「ちっ(舌打ち)。なら、さっさとしろ。俺は忙しいんだ!」


蜜斗(みつと):「では、手短に。最近の旦那様の姫様に対する態度・言動諸々、少しどころか以前にも増して酷くなっています。

私やメイド達が見ている時でも、姫様へ暴力を強いていますよね?


蜜斗(みつと):なぜなんですか? なぜ、鈴音様に似ている。ただそれだけにも関わらず、なぜそんなに姫様へ仕打ちが酷くなるのですか?」


攻耐(こうた):「何度も言わせるな!! 俺から、鈴音を奪った。黄鈴(おうりん)の事が憎くないはずがないだろう!!


攻耐(こうた):黄鈴が産まれなければ。。。あいつは。。鈴音は、助かっのかもしれないのだぞ!!」


蜜斗(みつと):「例え、仮にそうだったとしても。奥様はきっと、姫様の命を護ろうとしていると思います。

旦那様の愛娘(まなむすめ)でしょう!


蜜斗(みつと):あれでは、虐待ですよ!!

姫様の心が壊れてしまいます。それだけは、私は。。

いえ、俺が絶対にさせません!!」


攻耐(こうた):「何故そこまで、あのガキを護ろうとする。

お前からしたら、赤の他人だろ!」


蜜斗(みつと):「いいえ。赤の他人ではなく、姫様は私の父親違いの異母兄妹です。」


攻耐(こうた):「な、何!?

まさか。。お、お前。。奴の。。息子か。。?」


蜜斗(みつと):「はい。そうですね。私の父は、貴方に殺されたも同然ですよね。」


攻耐(こうた):「。。。」


蜜斗(みつと):「鈴音様と結ばれていた、俺の父が邪魔になり赤子だった俺を、アンタは施設へと置き去りにした。」


攻耐(こうた):「それはっ!。違うんだ。。違うんだ。。」


蜜斗(みつと):「その事を知らされた父は、俺を引き取り育ててくれた。成長した俺は、職場を探す為に。。

あの日、鈴音様。。母様に俺は、拾われた。


蜜斗(みつと):その時はまだ、自分の母様だなんて知らなくて。

その事を知ったのは、母様が亡くなられる1ヶ月前。。


蜜斗(みつと):鈴音様から、教えて貰ったんだ。。」


攻耐(こうた):「うっ。。そんな。。俺は、ただ。。鈴音を守りたかっただけなのに。。。」


蜜斗(みつと):「その時に、俺は母様と約束したんだ。

アンタに姫様が酷い事をされる回数が増えた時は、母様に変わってアンタを殺す。と」


攻耐(こうた):「まっ、待て(焦) なぁ、待ってくれ(焦) こ、殺さないでくれ。。頼む。。 この通りだ。。。」


蜜斗(みつと):俺は、袖に隠していた果物ナイフをすぐさま出し、執事の手袋を外し旦那様の書斎にあるソファーにほおり投げた。


蜜斗(みつと):ナイフが見えて、怯え始める旦那様を。


攻耐(こうた):「あっ。。あっ(怯える)」


蜜斗(みつと):俺は冷めた目で見下ろし、思いっきり旦那様の心臓に振りかざし。殺した。


攻耐(こうた):「ぐぁあああああああ!!!」


蜜斗(みつと):赤い血が飛び散り、執事服が赤一色(いっしき)になってしまった。


蜜斗(みつと):あぁ。。姫様。

この手は、血で汚れてしまいました。


蜜斗(みつと):ですが、貴女様のお母様との約束でもあり、私の意思でもあり、悔いは御座いません。


蜜斗(みつと):今日の出来事は、私が死ぬまで胸の内に秘めて置きましょう。


✿:間


蜜斗(みつと):あの日を境に、姫様への愛情をたっぷりと注いでいた事もあり、姫様は可憐で可愛らしいお姫様へと成長を遂げたのでした。


蜜斗(みつと):私が姫様の異母兄妹と言うことも内緒にいたしましょう。

これで、ケーキの王子様は全て終了にございます。


蜜斗(みつと):いかがだったでしょうか?

楽しんで貰えたのだったら何よりにございます。

それでは、またどこかでお会いしましょう。


❀:~【ケーキの王子様 過去編② 】終わり~