探偵と幽霊の女(/男)の子


【時間:30分】


✿:本編↓↓↓


探偵:私の名前は○○(天黒)。

とある事件の後、名前以外の忘れてはいけない大切な記憶が無くなってしまったと医者から言われた


少しでも記憶の欠片を探すために。


今は、しがない探偵をしている。


今回の依頼で、【幽霊屋敷】と呼ばれる殺人が起きた屋敷まで向かっている最中になる。


「ふむ。こんなに深い森の中に。その屋敷とやらがあるというのか。。。」


ザッザッと、木々を避けながら屋敷を探すべく森を進んで行く。


見渡す限りの森、森、森。。。。


「本当にこんな所に、屋敷があるのか?」


幽霊『あるよぉー?』


探偵「ん? 今何か声が聞こえたような。。」


幽霊『はーい! 僕が話してるよー?』


探偵「また、聞こえた。。。まさか、幽霊?」


幽霊『せいかーい!』


探偵「って、そんな訳ないか。アッハッハッ笑」


幽霊『あー!もぉ! これだから視えない人はめんどくさいなぁ!!』


幽霊:何となくムカついて僕は枝を見つけて、お兄さん(/お姉さん)目掛けて、枝を投げた。


探偵「っ!痛(いた)。。 なんだ?枝か。。。」


探偵:そういえば、依頼の来ていた【幽霊屋敷】には確か。

殺されてしまった幼い女の子(/男の子)が居たって聞いていたんだが。。。


先程の声は。。。まさかな。。。


幽霊『おーい、探偵のお兄さん(/お姉さん)!そっちは、崖だよー?がーけー!!』


探偵「こっちに屋敷があるのかな?」


幽霊『だから、そっちは崖だってば!!!』


探偵「って、うわぁぁぁあ!!!!」


幽霊『だから、崖だって。。言ったじゃんかぁーーーー!!!!』


幽霊:僕は力を最大限に使って、探偵のお兄さん(/お姉さん)の腕を掴んで森の方へ引っ張りあげた。


探偵「うわぁぁぁ!!ってあれ? 私落ちてない!?」


幽霊『全くもぉー!! 僕が力使わなかったら、死んじゃってたよ?』


探偵:私の目の前でふよふよと浮いているこの女の子(/男の子)は。。。

噂に聞いていた、殺された女の子(/男の子)か。。。


探偵「(という事は、この女の子(/男の子)は幽霊か?)」


幽霊『おーい? 探偵のお兄(/姉)さーん? 大丈夫ー?』


探偵:私の目の前を透明な手で必死にフリフリと振っているこの幽霊の女の子(/男の子)が。案外可愛くて笑ってしまった。


幽霊『何笑ってんのさー?』


探偵「君は、幽霊屋敷で殺された女の子(/男の子)で合ってるかい?」


幽霊『うん!合ってるよー? それがどうしたのー?』


探偵:何が嬉しいのか私には分からないが。

私の周りをクルクルと回って喜んでいた。


幽霊『それで?』


探偵:突然ピタッと止まって、考え込むポーズをとったこの女の子は。。。


幽霊『何で、探偵のお兄さん(/お姉さん)は崖に向かってったの?』


幽霊『というか、僕の事視えてるの?』


探偵:目の前の幽霊の女の子(/男の子)不思議そうにクスクスと笑っている。


探偵「何でって言われてもねぇ。。何となくこっちに屋敷があるのかと思ってね。。」


幽霊『フゥーん。て事は、お兄さん(/お姉さん)、迷子か笑』


探偵「そうとも言えるね。見渡す限りのこの森で、道が分からなくなってしまったんだよ。」


幽霊『うんうん。それで?僕にどうして欲しいのさ?』


探偵女の子(/男の子)はキラキラした目で私を見つめてきた。


探偵「そうだなぁ。君に助けて貰ってから視えるようになったよ。」


幽霊『ふーん。なら、お兄さん(/お姉さん)と僕の波長が良かったんだねぇー♪ 

死なずに済んでよかったねぇお兄さん(/お姉さん)?』


探偵「あぁ。本当に。君のお陰だよ。」


幽霊『ふふ笑 お兄さん(/お姉さん)、屋敷まで僕が案内してあげるよ!』


探偵「頼むよ。ありがとう。」


幽霊『OK!了解!』


探偵:幽霊の女の子(/男の子)に道案内をしてもらうと。


私が来た道とは正反対の道だったということだ。。。


探偵「ん? 屋敷は反対だったのか。。」


幽霊『まぁそうだね! でもなんで屋敷に行くの?』


探偵:「依頼されたからだ。これ以上は教えられないぞ? 守秘義務だからな。」


幽霊:『ふーん。もしかしなくても。僕の死因についてだったりー?』


探偵:相変わらず可笑しそうにケラケラと笑うこの幽霊は、楽しそうにしていた。


探偵:「何でそう思うんだい?」


幽霊:『えー?だって、前にもその前にも、探偵って名乗る人達がさ、僕の死因の真相を見つけようと屋敷に来たからねー!』


探偵:そうか、私以外にも。


探偵:噂の【幽霊屋敷】に来ていた探偵がいたのか。。。


探偵:「その探偵達はどうしたんだい?」


幽霊:『んーとねー。。みーんな、怖がって直ぐに帰っちゃったよ?笑笑』


探偵:「うーん。。何に怖がったのか。それは気になるね。」


幽霊:『僕に怖がって逃げたんだよー笑』


探偵:「なんと!? こんなに可愛い女の子(/男の子)が怖いと?」


幽霊:『変なお兄さん(/お姉さん)笑 僕は死んでるんだよ? 幽霊なんだよ? 分かってる?』


探偵:「あぁ。もちろんさ。分かってはいるよ。」


探偵:私がそう伝えると。少し困った表情をしていた。


探偵:何で僕が怖くないのか? とでも言いたげに。


探偵:じーっと私を見下ろしていた。


幽霊:『お兄さん(/お姉さん)、あと少しで着くよー!』


探偵:考え事をしながら歩いていたら、いつの間にか屋敷付近に近づいていた様だ。


探偵:「そうか、教えてくれてありがとう」


探偵:手を伸ばして女の子(/男の子)の頭に触れるも、霊気が冷たく感じた。


探偵:本当に幽霊なのだな。。。どうにかこの女の子(/男の子)が早く成仏するように、努めよう。。


幽霊:『ほらほら、見えてきたよー!』


探偵:女の子に言われて前を見据えると、大きな屋敷がそびえ立っていた。


探偵:「見るからに、【幽霊屋敷】だな。。」


幽霊:『そう? 僕にとったら、殺された屋敷だけどねー?』


探偵:手入れのされてない様子が見てわかるほど、庭は荒れ。


探偵:柵には、草木が絡みつき。


探偵:不気味な雰囲気に包まれていた。


探偵:私の足がこの先には行きたくないと言ってるみたいに、前に1歩なかなか踏み出せないでいた。


幽霊:『お兄(/姉)さぁん? 屋敷に行きたくないの?』


探偵:「行きたくない訳ではなくて、足がすくんでしまってね。ははは(苦笑)」


幽霊:『ふーん。なら僕がお兄さん(/お姉さん)の【背中】押してあげるよー♪♪ あー。僕ってめっちゃいい子ー!』


探偵:そういうや否か、直ぐに私の背中にひんやりとした両手を当てて、屋敷の扉の前までグイグイと押して行く。


幽霊:『はい!ついたぁー!今開けるねー!』


探偵:女の子(/男の子)はスルりと屋敷の扉の奥へ通り抜けていって、鍵をがチャリと開けてくれた。


幽霊:『お兄さん(/お姉さん)、早く僕の白骨死体見つけてよ。』


探偵:ニュルンと、扉から頭を少し出して私に問いかけるこの女の子(/男の子)を見た時に、『あー。本当に幽霊なんだな』と納得せざるを得なかった。


探偵:生きている人間は、扉から頭を出す事なんて、頭と胴体をチョン切らない限りありえないのだから。。。


探偵:「ん? ちょっと待て。今、【白骨死体】って言ったのかい?」


幽霊:『ん?うん。そうだよ? アレ?もしかして。。。僕の白骨死体を見つけに来てくれた訳じゃなかったの?(悲しげに)』


探偵:「まだここに。君の死体は眠っているのかい? それならば警察を呼ばなければいけないよ?」


幽霊:お兄さん(/お姉さん)が扉の中に入ってくれたから、鍵を閉めることが出来た。


幽霊:そう。僕はこの【幽霊屋敷】と呼ばれる屋敷で殺されたんだ。


幽霊:どうやって殺されたかまでは覚えてないけどね♪


幽霊:『警察は呼ばなくて大丈夫だよ! 見つけて貰うだけで勝手に白骨死体消えるから。。』


探偵:見つけて貰うだけで、白骨死体が消える? 


探偵:そんな事って有り得るのか?


探偵:いや、でも。この女の子(/男の子)は私を2度も助けてくれたし。。


探偵:たとえ幽霊だとしても、何かしら伝えたい事があるのだろう。


探偵:信じてあげよう。。この女の子(/男の子)を。


探偵:「そんなに悲しげにしないでくれ。わかった。君の死体は必ず見つけ出すよ。


探偵:だから、この屋敷内の案内をしてくれるかい?」


探偵:そう、私が告げると少し考える仕草をした後、パァっと笑顔になるこの幽霊の女の子(/男の子)。


幽霊:『うん!わかった! でも、1つだけ約束して?』


探偵:「約束? それはいったいなんだい?」


幽霊:『この屋敷に置いてあるものには、手を触れないで。』


探偵:「何か罠でも仕掛けられてるのかな?」


幽霊:『そんな感じ。。。だからね、お兄さん(/お姉さん)にまで。逃げられちゃうと。。。


幽霊:僕いつまで経っても天国?にいけないの。。』


探偵:「あぁ。わかった。約束は守ろう。


探偵:これでも私は【探偵】だからね」


幽霊:『うん!お兄さん(/お姉さん)、ありがとう!!』


❀:間


幽霊:今回の探偵のお兄さん(/お姉さん)は、自分から崖に向かって歩いて行ったり。。


僕が居ないと屋敷までたどり着けなかったり。。


なんだか。。


懐かしい感じがする。。。


何でだろう。。。


僕とお兄さん(/お姉さん)は初対面の筈なのに。。。。


それとも何処かで出会っているのかな。。。


まぁ、なんでもいいか♪


今の僕には生前の記憶はもう、ほとんどないんだし。。


お兄さん(/お姉さん)。。。


早く(白骨死体)【僕を】見つけて。。。


❀:少しの間


探偵:「では早速で悪いが、屋敷内の案内を頼むよ。」


幽霊:『はーい! じゃあまずはー、大広間からー!』


探偵:こっちこっちと言いながら、私を大広間まで誘導してくれる。


探偵:大広間に着くと、天井に立派なシャンデリアがいくつもぶら下がっていた。


探偵:大広間に、暖炉まであるとは驚きだ。


探偵:ふと、暖炉の上を見ると。


探偵:写真立てが置いてあった。


探偵:幽霊の女の子(/男の子)とは約束はしては居たが。。。


探偵:私は写真立ての埃(ほこり)をそっと指で払った後。


探偵:依頼人として私に女の子(/男の子)の死因を調べて欲しいと言っていた女性(/男性)の隣に立っている男性(/女性)に見覚えがある気がした。


幽霊:『あ、写真。ココにあったんだぁー!そんなの見てどうしたの?』


探偵:「いや、ちょっとな。」


幽霊:『お兄さん(/お姉さん)とここに写ってるお兄さん(/お姉さん)。似てるね』


探偵:女の子(/男の子)に言われて、また写真立てを見ると。


探偵:確かに似ている。


探偵:いや、似ている所じゃなく。


探偵:「この男性(/女性)は。。。私?」


探偵:頭に突然痛みが走った。


探偵:「うっ。ぐっぁあ!!。。何だ。。。何かを忘れている。」


探偵:頭を片手で抑え、痛みに耐えつつもう一度。


探偵:写真立てに手を伸ばす。


幽霊:『お兄さん(/お姉さん)? 大丈夫?』


探偵:心配そうに私の顔を覗き込むこの子に関する記憶なのだろうか?


探偵:それとも。私が失ってしまった大切な記憶の欠片なのだろうか?


探偵:もし、仮に。


探偵:記憶の欠片なのだとしたら、この頭の痛みに耐えてみせる。


探偵:「あ。あぁ。。。何とか。。ね。」


幽霊:『本当に? 大丈夫?』


探偵:「あぁ。大丈夫だ。心配かけてすまないね。」


探偵:自分の子供の様に、女の子(/男の子)の頭を優しく撫でてあげた。


幽霊:『!?』


幽霊:探偵のお兄さん(/お姉さん)が僕の頭を撫でた時に何か見えた。


幽霊:コレは僕の生前の記憶なのだろうか?


❀:間


幽霊:どこかの公園?なのかなぁ。。


幽霊:僕と探偵のお兄さん(/お姉さん)と、女の人(/男の人)が一緒に笑っていた。


幽霊:僕が転ぶと、女の人(男の人)が優しく抱き寄せてくれて。


幽霊:探偵のお兄さん(お姉さん)が転んだ所を優しく撫でてくれた。


幽霊:そっと、女の人(/男の人)に名前を呼ばれた気がした。


幽霊:僕の名前ってなんて言うんだっけ?


幽霊:何だろう。


幽霊:思い出したいけど。これ以上は怖い。。


幽霊:僕の名前って何?


❀:間


探偵:相変わらず写真立てを見ると来るこの頭痛。


探偵:何故か分からないが、写真立ての裏が気になって仕方なかった。


探偵:私は、女の子(/男の子)に目を向けると。


探偵:何かを考え込んでいる様子だった為。


探偵:約束を破ってしまうかも知れないが、写真立てをそっと手に持ち、裏側を見た。


探偵:「20××年。○○と、。。。の愛娘(/愛息子)、□□の思い出。。?」


探偵:私の名前が書いてある。。。?


探偵:「うぐっ。。うぁ。ぁああああ!!!」


探偵:先程よりも頭が割れてしまうんじゃないかって位の痛みが襲ってきた。


探偵:「ぅあ。あぁぁぁぁ!!!」


探偵:少しだけ記憶が戻った感じがした。


探偵:今見えたのは。私と、女性(/男性)とこの子。。


探偵:仲の良い親子。。家族だった。


探偵:「そうだ。。ここにいる女の子(/男の子)は。。□□。。」


探偵:何故、ずっと忘れていたのだろうか。。。


探偵:私の愛娘(/愛息子)である、□□は。。。


探偵:「ココで。。。殺された?」


探偵:後1歩という所で、痛みがスーっと引いていき。


探偵:見えていた記憶の欠片が見えなくなってしまった。


幽霊:『おにい(/ねえ)。。。さんは。僕の名前。。知ってるの?』


探偵:泣きそうになりながら、□□は、私の顔を覗き込んでいた。


探偵:「あ。。あぁ。君の名前は、ほら。この写真立ての裏に書いてあったよ。」


幽霊:『写真立ての裏?』


探偵:□□は不思議そうな顔をした後に、裏の名前の所をじーっと見つめていた。


幽霊:『僕の名前は。。。□□。。。?』


幽霊:僕の名前は。そうだ!思い出した!!


幽霊:○○ □□。


幽霊:じゃあ、ここにいるこの探偵のお兄さん(/お姉さん)は。。。。


幽霊:『僕の。。。パパ(/ママ)?』


探偵:何かを思い出したのか、私の娘(/息子)が。


探偵:私にパパ(/ママ)?と聞いてきた。


探偵:「うん。そうなるね。」


幽霊:『パパ(/ママ)が、僕の所に来てくれた?』


探偵:「そうだよ。って言っても。


探偵:君の名前と、君と私が家族だった事しか思い出せてないけど。。」


幽霊:『そっか。。ごめんなさい。。。』


探偵:「何がだい?」


幽霊:『パパ(/ママ)に、僕の白骨死体を見つけて何てお願いしちゃって。。。ごめんなさい。。。』


探偵:「謝らなくていい。□□はずっと、私に見つけて欲しかったんだろう?」


幽霊:『なんで。。。そうだって分かるの?』


探偵:「分かるさ、君は私の娘(/息子)だからね。」


幽霊:『そっか。。。えへへ///』


探偵:そういうと、娘は嬉しそうに満面の笑みを浮かべていた。


探偵:大広間を後にして、私たちは1階の各部屋を何か手がかりがないか見て回った。


探偵:「何もない。。。か。。。」


幽霊:『うん。なーんにもなかったね!』


探偵:「残るは2階かな。。。」


幽霊:『。。。。。。』


探偵:私が【2階】と言った途端、娘(/息子)の表情が曇り始めた。


探偵:何処か、怯えてる様にも見える。


探偵:(2階には、娘(/息子)は行かない方がいいな。。)


探偵:「私が、2階を見てこよう。」


幽霊:『え!? ぼ、僕も行く!!』


探偵:「無理に、2階へ行かなくてもいいんだよ?」


幽霊:『でも、パパ(/ママ)が心配だから。。。』


探偵:「大丈夫さ。」


幽霊:『わ。。。わかった。。。』


探偵:「いい子だ。」


探偵:優しく頭を撫でてやり、そのまま、2階へ行く為に階段を私は、上がって行った。


探偵:2階の廊下から1階を見ると。。


探偵:私を心配する表情の娘(/息子)が床に足をつけてこっちをじーっと見ていた。


探偵:私は、大丈夫と言う意味で軽く微笑んであげると。


探偵:娘は少し安心した表情に、変わった。


❀:間


探偵:2階の廊下を進むと、書斎へと続くドアと。


探偵:寝室に続くドアがあった。


探偵:私は先に、書斎のドアを開け中を見て回った。


探偵:記憶の欠片になる情報がないかどうかを。。。


探偵:書斎の本棚に、手紙が挟まっていた。


探偵:私はその手紙に手を伸ばし開いて読み始める。


探偵:「私は大変な事を知ってしまった。


探偵:まさか、私の妻(/夫)が。。娘(/息子)を。。。そうとしているだなんて。


探偵:きっとこの手紙を私が見つけて読んでる時には。


探偵:娘(/息子)を守れずに死なせてしまった後なのだろう。。


探偵:あの時、娘(/息子)をココから連れ出し妻(夫/)から逃げれば。。。


探偵:娘(/息子)は。。されずに。。済んだと言うのに。。。


探偵:すまない。。守ってやれずに。。。


探偵:□□を死なせてしまった。。。


探偵:未来の私に1つ忠告しておこう。


探偵:依頼人は。。。娘(/息子)の母親(/父親)であり。。。


探偵:娘(/息子)を。。。した。張本人だと言うことを。。。」


❀:間


探偵:依頼人が、娘(/息子)の母親(/父親)であり。


探偵:私の妻(/夫)。。


探偵:娘(/息子)を殺した張本人は。。。。依頼人。。。


❀:間


探偵:「うっ。。。」


探偵:今度は痛みはほとんどなく、記憶の映像がフラッシュバックして頭の中を巡っていた。


探偵:「そうだ。娘(/息子)と依頼人は私の家族で。


探偵:依頼人は私の妻(/夫)だった。


探偵:娘(/息子)への虐待が酷く、娘(/息子)を守ってやれずに死なせてしまった。。。」


探偵:思い出したと思ったら、誰かの足音が聞こえてきた。


探偵:突然の事で、クローゼットの中に身を潜めると。


探偵:依頼人。いや、元妻(/元夫)が書斎に入ってきた。


探偵:きっと私の事を探しているのだろう。。。


探偵:クローゼット以外の場所を元妻(/元夫)は見て周り。


探偵:私がいないのを確認すると少し残念そうな表情に、なり階段を降りて行った足音が聞こえた。


探偵:1階にいる、幽霊になってしまった娘(/息子)は大丈夫だろうか?


探偵:遠くの方でがチャリっと玄関の大扉が閉まる音が聞こえ、元妻(/元夫)が屋敷を後にしたのがわかった。


探偵:私は少しだけ安心をして、クローゼットから出て書斎を後にする。


探偵:「残るは、寝室だけだな。。。」


探偵:またいつ、元妻(/元夫)が戻ってくるか分からない恐怖はあるが。


探偵:早く、娘(/息子)の白骨死体を見つけなければいけない。


❀:間


探偵:寝室の扉を開くと。。。


探偵:かび臭い匂いが充満していた。


探偵:匂いがすごすぎて、腕で口と鼻を抑えて部屋の中を探し回る。


探偵:クローゼットの中、テーブルの下、壁掛け時計の中など。


❀:間


探偵:探し始めて20分経過。。。


❀:間


探偵:ベットの下に目をやると。。。


探偵:地下へ続くであろう扉があるのに気がついた。


探偵:「ココにいるんだな。。。待っていろ。直ぐに見つけ出すから。」


探偵:ベットを動かし、床にある扉を引っ張って開ける。


探偵:「階段だ。。。。」


探偵:地下へ続く階段を見つけ、ゆっくりと降りていく。


探偵:どれくらい降りていったのだろうか。。。


探偵:階段はさほど暗くもなく、照明が付いている為足元を確認しながら降りて行くことが出来た。


探偵:ようやく階段の終わりが見えてきた。


探偵:階段を降りると、少しだけ広い空間があった。


探偵:その空間は真っ暗ではあったが、白っぽい何かがあるのに気づいた。


探偵:手に持って居た懐中電灯のスイッチをオンにして、先程見えた白い何かに光を照らす。


探偵:「ココにいたんだな。。□□見つけたよ。」


探偵:光に照らされて白い何かは正体をあらわにした。


探偵:それは、娘(/息子)の白骨死体だった。


探偵:「□□、守ってやれずにごめんな。パパ(/ママ)を許しておくれ。」


探偵:私はそっと、娘(/息子)の白骨死体を抱きしめた。


幽霊:『パパ(/ママ)、見つけてくれて、ありがとう!


幽霊:ちょっとしか話せなかったけど。。。


幽霊:でも、また会えてよかった。。。』


探偵:声のした方を見ると、白骨死体の上にキラキラと光が舞う娘(/息子)の姿があった。


探偵:「私もだよ、□□にどんな形であれ、また会えて本当によかった(泣)」


幽霊:『パパ、泣かないで。。笑って? 


幽霊:僕は天国に行くけど、またきっと会えるから。』


探偵:「そうだよな。。そうだよな。。。(泣)」


幽霊:『僕を見つけて。。くれて。。ありがとう。。パパ。。大好き。。。。。だ。。。。よ。。。。。。』


その一言を言い終わる前にスーッと娘は消えてしまった。


私が抱きしめて居た白骨死体もキラキラと光に照らされて消えてしまった。


あの日から1ヶ月後。。。


私は、娘(/息子)の白骨死体を見つけてから、警察に連絡をして、元妻(/元夫)である依頼人が娘を殺害した事を伝えた。


そこからは元妻(/元夫)が捕まるのは早かった。


これでやっと、娘(/息子)も開放されたのだろう。。。

私は心にぽっかりと穴が空いてしまった様で何も手につかない日々が過ぎていった。


探偵:「□□。天国でパパ(/ママ)の事を見守っていてくれ(/いてね)。。。」


❀:~終わり~