雨の降る日に君を


【時間:10分】


<配役>


💙奏多(かなた)

性別:男。一人称:僕


❤響(ひびき)

性別:女。一人称:私


✿本編↓↓↓


💙奏多side💙


僕の名前は奏多。


満月学校に通う学生。


クラスでは、それ程仲の良い友達は居ない。


でも気になる人はいる。


その子は今、窓際に立って優しく笑ってる女の子。


そんな君が気になって仕方ないんだ。


僕は、君へ話しかける勇気すら持ってない。


本当は、話しかけて。沢山の君を見つけたいんだ。


でも、話しかけるのが怖いんだ。


君に嫌われるかもしれない。


君の周りの人達に、悪く思われるかもしれない。


それが怖くて堪らないんだ。


こんな、弱い僕で。


こんなに怖がりな僕で、ごめん。




❤響side❤


私は響。


満月学校に通う学校。


クラスでは、まぁまぁ仲の良い友達はいる。


だけど、友達になりたい人がいる。


その人は、いつも自分の席に座って、時々私を見て来るから。

なにか言いたい事あるのかな?って気になってるんだ。


私から話しかけたいけど。


なかなか、その機会がなくて、もどかしくて。


あの頃の様に、奏多くんの笑った顔を私は見たいんだよ。


だから、いつも奏多くんが1人で帰る姿が淋しそうで。


いつ、声をかけようかと悩んでたある日。


奏多くんの心が泣いてるんじゃないかって位。


天気が土砂降りの雨で。


奏多くんが、傘を持たずに帰ってく姿が。


雨に濡れながら、奏多くんの存在自体を洗い流してる様で。。


私は、怖かった。


奏多くんと話せなくなると思った。


だから、奏多くんの元へ走ってったんだよ。



💙奏多side💙


ある日、僕の失った感情の様に。


天気が土砂降りの雨だった。


泣く事を忘れてしまった僕の代わりに、空が泣いてくれてる様で。


だから、その雨をずっと見てたかったんだ。


例え、僕が、びしょ濡れになっても。

心配してくれる友人も居ない。

家族だって居ない。


だから僕は、ただ。

雨に濡れながら、空を見上げてたんだ。




《奏多&響》


💙いつも1人。僕を心配してくれる人達なんて居ない。


❤。。。。。。ねぇ。(遠くから声を掛けてる感じで)


💙結局、僕は弱虫で怖がりのままなんだ。。。


❤。。。ねぇ。。。ちょっと。。。(少し近づいてる感じで)


💙僕なんか、この雨で存在自体を洗い流せたらいいのに。。。


❤。。。あの!!(息きれてる感じで)


💙。。。。。。(目線を響へむけ。また空へ。)


❤。。。あの!!。。コレ!!


(僕に傘を差し出す君)


❤あの。えっと。風邪引きますよ?


💙。。。心配してくれる人は居ないから大丈夫。


❤心配ならしてますよ。私が!!


💙何で?話した事もない僕を心配するの?


❤ずっと、貴方を見ていたから。


💙え?


❤ずっと、話しかけたかった。でも、いつもタイミングが合わなくて。。。


💙。。。僕も、君をずっと見ていたよ。


❤知ってますよ。いつも自分の席から私を見ていた事。


私はずっと、貴方を。。いえ。。奏多くんを見ていましたから。


💙。。。なんで?。。。なんで僕を見てたの?


可哀想な奴って? そう思ってたの?


❤いいえ。違います。私は奏多くんの心が泣いてる事。


表情には出せなくなった事。知ってますから。


💙君は。。。なんでそこまで。。僕を。。。?


❤私は、奏多くんのおかげで、心が救われたから!!


今度は、私が、奏多くんの心を救いたいの。。。


💙僕に心が救われた?。。。。。。もしかして。。。。。。響。。。?


❤うん! やっと。。。名前。。。呼んで。。。貰えた。。。ずっと。。。忘れられてると思ったよ。。。


💙僕は、今。言われるまで忘れてたよ苦笑。

響、キレイになったね。。。


❤。。。うん。。。傘。。。入って?


💙うん。。。


❤もう、奏多くんは。心の中で泣かなくていいんだよ。


💙。。。さん。。。きゅ。。。


❤私は、奏多くんの心を見つけられたよ。


💙響。。僕を見つけてくれてありがとう。。。


(僕は、響の傘に入れてもらい、一緒に帰宅した。


それからは幸せが増えたんだ。


響のおかげで。響が隣に居てくれる。


君が僕の傍で笑ってくれる事。


それが、僕の心を満たしてくんだ。


これからもずっと一緒だよ。


今度は、僕が響へ。


「君も、泣いていいんだよ」って傘を差すよ。)



~END~